「おたまじゃくし」の語源?【滋賀県】多賀大社のご利益・歴史・アクセス

秀吉が母のために祈った神社?【滋賀県】多賀大社のご利益・見どころ・アクセスまとめ

滋賀県犬上郡多賀町にある多賀大社は、「お多賀さん」の愛称で親しまれてきた歴史ある大社です。


この記事では、多賀大社の歴史やご利益、見どころ、御朱印、アクセス・駐車場までを、初めて訪れる方にも分かりやすくまとめました。延命長寿や縁結びを願う方はもちろん、日本神話や豊臣秀吉ゆかりの史跡に興味がある方にもおすすめの神社です。読み終える頃には、きっと参拝の計画が立てられるはずです。



多賀大社とはどんな神社?

多賀神社本殿
多賀大社は、滋賀県犬上郡多賀町多賀に鎮座する神社です。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社に数えられます。御祭神は伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)の二柱です。


この二柱の神様は、伊勢神宮に祀られる天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめとする八百万の神々をお産みになった「親神様」にあたります。そのため古くから「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢は多賀の子でござる」と里謡に歌われ、伊勢参りと並んで参拝客の絶えない大社として知られてきました。伊勢神宮の祖神を祀る格式の高さは、多賀大社ならではの大きな特徴といえるでしょう。


境内には近江鉄道多賀大社前駅から続く参道があり、両脇にはみやげ店が並びます。清流にかかる太閤橋を渡って門をくぐると、玉砂利の敷かれた境内の奥に、堂々とした本殿が建っています。


多賀大社の歴史

多賀神社本殿

古事記に記された古社


多賀大社の名は、和銅5年(712年)に完成した日本最古の書物『古事記』にすでに登場します。「伊邪那岐大神は淡海(あふみ)の多賀に坐すなり」と記されており、神生みを終えた伊邪那岐大神が、近江国の多賀に鎮座されたと伝えられています。創建の正確な年代は明らかになっていませんが、奈良時代以前から信仰の対象であったことがうかがえます。延喜式にも「多何神社二座」として記載があり、式内社としての歴史も持っています。


豊臣秀吉ゆかりの大社


多賀大社の歴史を語るうえで欠かせないのが、豊臣秀吉との深いつながりです。天正16年(1588年)、秀吉は母・大政所の病気平癒を祈願し、米一万石を多賀大社に奉納しました。この奉納によって社殿の整備が進められ、参道に架かる太閤橋(太鼓橋)や、後述する奥書院庭園が築造されたと伝えられています。天下人が母のために祈りを捧げた場所として、多賀大社は今も特別な存在感を放っています。


このように多賀大社は、神話の時代から現代に至るまで、天皇や武家、庶民に至るまで幅広い信仰を集め続けてきました。鎌倉時代から江戸時代にかけて信仰はさらに広まり、現在では全国に239社もの分祀社があるといわれています。だからこそ今も「延命長寿・縁結び・厄除け」の神様として、多くの参拝客が訪れているのです。


多賀大社の御祭神


御祭神である伊邪那岐大神・伊邪那美大神は、日本神話において初めて夫婦の道を歩んだとされる神様です。二柱で日本の国土を生み、続いて天照大神をはじめとする八百万の神々を生み出しました。「生命(いのち)の親神様」と呼ばれる所以はここにあります。国生み・神生みという神話の根幹を担った神様であることから、命そのものにまつわる幅広いご利益を持つ神社として信仰されてきました。


多賀大社のご利益


伊邪那岐大神・伊邪那美大神は生命の親神様であることから、次のようなご利益があると伝えられています。


  • 延命長寿(命を守り、健康長寿を授ける)
  • 縁結び(夫婦や男女の良縁、様々な人とのご縁を結ぶ)
  • 厄除け・災難除け(人生の節目や厄年の災いを払う)


延命長寿のご利益は、後述する「寿命石」の逸話によって特に広く知られるようになりました。縁結びのご利益は、二柱の神様が夫婦の道を歩んだ最初の神とされることに由来しています。


多賀大社の見どころ

太閤橋(太鼓橋)

太閤橋
参道の途中、清流にかかる石造りの反り橋が太閤橋です。豊臣秀吉の奉納によって架けられたと伝えられ、急な弧を描く姿は写真映えするスポットとしても人気があります。渡る際は勾配が急なため、足元に注意してください。


寿命石

寿命石
拝殿の東側にあるのが、延命長寿の伝説で知られる寿命石です。平安時代、東大寺再建を託された俊乗坊重源(しゅんじょうぼうちょうげん)が、当時61歳という高齢で大業を成し遂げるため、多賀大社に参籠して延命を祈願しました。満願の際に虫食いのある柏の葉を授かり、二十年の延命を感得して、無事に東大寺再建という大願を果たしたと伝えられています。この逸話にちなみ、寿命石は今も延命を祈る参拝客が絶えないスポットです。


奥書院庭園


参集殿の奥にある奥書院庭園は、安土桃山時代に築造されたと伝わる池泉観賞式の庭園で、国の名勝に指定されています。豊臣秀吉の奉納をきっかけに整備が進んだとされ、格式高い書院建築とあわせて鑑賞することができます(拝観には別途料金がかかります)。


お多賀杓子(おたがじゃくし)

お多賀杓子
多賀大社を象徴するお守りが、しゃもじの形をした「お多賀杓子」です。その由来は、元正天皇が病に伏せられた際、多賀大社の神主がしでの木で作った杓子とともに強飯(こわめし)を献上したところ、天皇がたちまち快癒されたという逸話にあります。このしでの木は「飯盛木(いいもりぎ)」として現存しています。なお、「お多賀杓子」が転じて「お玉杓子(おたまじゃくし)」という言葉の由来になったともいわれており、身近な言葉のルーツを知ることができる、ちょっとしたトリビアとしても楽しめます。


多賀大社の御朱印


多賀大社では通常の御朱印のほか、切り絵御朱印もいただくことができます。通常の御朱印は毛筆で「多賀大社」と書かれ、多賀大社の朱印とあわせて「莚」の字が押されています。これは寿命石の逸話にある、虫食いのある柏の葉を表しているといわれています。初穂料は300円で、直書きでの対応となります(授与時間や対応内容は変更されることがあるため、参拝前に公式サイトでの確認をおすすめします)。


お守り

前述のお多賀杓子は、延命長寿を願うお守りとして特に人気があります。このほかにも縁結びや厄除けにまつわるお守りが授与されています。オリジナルの御朱印帳も用意されており、初めての参拝記念にもおすすめです。


年間行事

多賀大社では、元旦の初詣をはじめ、季節ごとの祭事が行われています。特に正月三が日は多くの参拝客で賑わい、近隣の交通渋滞や駐車場の混雑が予想されるため、時間に余裕を持った参拝がおすすめです。年始には近江鉄道の臨時列車や湖国バスの特別ダイヤも運行されます。詳しい日程は、公式サイトで事前に確認しておくと安心です。

多賀大社へのアクセス

多賀大社へのアクセスは、電車・車のいずれも便利です。近江鉄道多賀大社前駅から参道を通って徒歩約10分。車の場合は、名神高速道路の彦根インターチェンジから約10分の距離にあります。正月三が日には近江鉄道の臨時列車や湖国バスの特別ダイヤが運行されるため、公共交通機関での参拝も選択肢に入れやすくなっています。


駐車場

駐車場
多賀大社には参拝者用の駐車場が複数用意されています。国道307号沿いの駐車場や、参集殿裏手の駐車場など、混雑状況や本殿までの歩行距離に応じて選ぶことができます。カーナビの目的地設定によっては、鳥居前で案内が終了してしまうことがあるため、事前にどの駐車場を利用するか決めておくとスムーズです。初詣や休日は特に混み合い、駐車場に入るまで時間がかかることもあるため、早めの到着をおすすめします。


基本的には駐車場は無料で停めれますが、時期や場所によって運用が異なる場合があるため、最新情報は公式サイトでの確認をおすすめします。


周辺観光


多賀大社の奥宮にあたる調宮神社(しらべのみやじんじゃ)や、御神木として知られる杉坂峠の三本杉など、多賀大社から少し足を延ばして楽しめるスポットもあります。三本杉は、神代の昔に伊邪那岐大神が休憩の際に突き刺した杉の箸が大木になったという言い伝えを持つ、滋賀県下最大級の杉です。門前町には土産物店が並び、参拝の前後にゆっくりと散策を楽しむことができます。


周辺グルメ

グルメ
参拝の後は、境内の参集殿内にある「そば舎」で「寿命そば」を味わうのがおすすめです。重源上人の延命の逸話にちなんで名付けられたお蕎麦で、出汁にこだわった一杯を楽しめます。門前町には他にも飲食店が点在しているため、参拝の記念に立ち寄ってみてください。


基本情報

名称 多賀大社
住所 〒522-0341 滋賀県犬上郡多賀町多賀604
電話番号 0749-48-1101
参拝・授与時間 境内参拝は自由。社務所・御朱印受付は8:30~17:00が目安(時期により変動する場合があります)
駐車場 参拝者用駐車場あり(複数箇所。混雑時は満車になる場合あり)
アクセス 近江鉄道「多賀大社前駅」から徒歩約10分/名神高速道路「彦根IC」から車で約10分


まとめ


多賀大社は、伊勢神宮に祀られる天照大神の「親神様」を祀るという、他に類を見ない格式を持つ神社です。神話の時代から続く古い歴史に加え、豊臣秀吉が母の病気平癒を願って築いた太閤橋や奥書院庭園など、見どころも豊富にそろっています。延命長寿や縁結びを願う参拝はもちろん、寿命石の逸話やお多賀杓子のトリビアなど、訪れるほどに発見のある大社です。多賀大社の参拝にかかる所要時間は、本殿への参拝だけであれば30分程度ですが、寿命石や奥書院庭園、周辺の調宮神社まで巡る場合は1時間半〜2時間ほど見ておくと安心です。


ぜひ実際に足を運び、「お多賀さん」の空気を感じてみてください。