“熊野”は、古代から神々の住む神聖な地として知られ、古くから人々の心を引きつけてきました。
熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)は、『熊野三山』として知られる三つの神社の一つ。その中でも最も古く、最も格式の高い神社として、古くから人々の信仰を集めてきました。
また、熊野権現の総本宮として、全国の数千社ある熊野神社を統括する総本宮となっています。
2000年前の景行天皇58年(紀元前42年)に、熊野三所権現が最初に神倉山という場所に現れたと言われています。その神倉山は「旧宮」と呼ばれ、それに対して熊野速玉大社は「新宮」と呼ばる歴史の深さを感じる神社です。
2004年に世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として登録されました。
また、縁結びのパワースポットでも有名で、なぎの実で作られた「なぎ守り」が葉が切れにくいことから縁結びのご利益があると良縁も求める女性に人気になっています。
神社の見所・パワースポット
一の鳥居
両部鳥居で神仏習合の名残りがあります。
八咫烏神社・手力男神社
一の鳥居のすぐに勝利を導く神を祀る八咫烏神社と腕力・筋力を象徴する神を祀る手力男神社があります。八咫烏は、熊野三山の守り神として、古くから人々の信仰を集めてきました。手力男神は、熊野三山の神話に登場する神で、力自慢の神として知られています。
「神門」と「手水舎」
大きなしめ縄がしてある神門
神門の右手に龍?像?のようなものある「手水舎」
権現造りの拝殿
熊野速玉大神と熊野夫須美大神を祀る主殿です。
多くの神様が祀られている社殿
12神が祀られている社殿。参拝方法としては左側から参拝をして行くことがおすすめなようです。
御神木の梛(なぎ)
樹齢1000年を越える梛の巨木です。梛は、熊野三山の神聖な木として、古くから人々の信仰を集めてきました。平重盛(清盛の長男)がお手植えされたとされ、国の天然記念物に指定されています。梛の葉が丈夫で切れないことから「男女の縁が切れないように」と縁結びのご利益があるとされています。
「新宮神社」と「恵比寿神社」
神門から右側の奥の方に、「新宮神社」と「恵比寿神社」があります。
熊野速玉大社のご神紋
幕を見てみるとご神紋マークがあり、三本足の八咫烏(ヤタガラス)と梛(ナギ)の枝のマークを見ることができます。
国宝がある熊野古神宝
熊野速玉大社は、室町時代に足利義満公が奉納したと伝えられる調度品を中心に、約千二百点にのぼる古神宝類を所蔵しており、いずれも国宝に指定されています。
国宝に指定されたご神像
千古の古から伝えられてきた神像七躯があり、いずれも桧の一木造著色坐像
(結、速玉、家津美御子、国常立像、皇大神、伊邪那美、伊邪那岐、速玉、夫須美、家津美御子、国常立神像)
そのほかに
・彩絵檜扇※国宝(さいえひおうぎ)
・桐唐草蒔絵手箱(きりからくさまきえてばこ)など
ここでしか観られない秘宝があります。
神宝館の前にある弁慶の像
熊野三党の中の鈴木一族があり、そんな鈴木一族の血を引くとされるのが源平の戦いで名を馳せた弁慶です。
熊野の土地と深い結びつきがあったようですね。
熊野速玉大社の例大祭「御船祭」
国の重要無形民俗文化財に指定されている熊野速玉大社の例大祭「熊野速玉大祭」。祭りを締めくくる神事・御船祭では、熊野速玉大社近くの熊野川で、9隻の早船が約1.6km上流にある御船島を3周する早船競漕(きょうそう)を繰り広げます。
熊野速玉大社のご祭神
主祭神 | ・熊野速玉大神(いざなぎのみこと) ・熊野夫須美大神(いざなみのみこと) |
熊野速玉大社はなんの神様?
日本で始めて夫婦となった2人の神様。縁結びはもちろん家内安全のご利益があるといわれています。
社殿のご祭神
社殿 | 祭神 | 本地仏 |
---|---|---|
第一殿 結宮 | 熊野夫須美大神(熊野結大神) | 千手観音 |
第二殿 速玉宮 | 熊野速玉大神 | 薬師如来 |
第三殿 証誠殿 | 家津美御子大神・国常立尊 | 阿弥陀如来 |
第四殿 若宮 | 天照大神 | 十一面観音 |
神倉宮 | 高倉下命 | (本地仏なし) |
第五殿 禅児宮 | 天忍穂耳尊 | 地蔵菩薩 |
第六殿 聖宮 | 瓊々杵尊 | 龍樹菩薩 |
第七殿 児宮 | 彦火火出見尊 | 如意輪観音 |
第八殿 子守宮 | 鵜葺草葺不合命 | 聖観音 |
第九殿 | 国狭槌尊 | 文殊菩薩 |
十万宮 | 豊斟渟尊 | 普賢菩薩 |
第十殿 勧請宮 | 泥土煮尊 | 釈迦如来 |
第十一殿 飛行宮 | 大戸道尊 | 不動明王 |
第十二殿 米持宮 | 面足尊 | 多聞天 |
熊野速玉大社のご利益
家内安全・縁結び
熊野速玉大社の御朱印・お守り
御朱印
初穂料:1000円
熊野牛王宝印(くまの ごおう ほういん)
熊野牛王(くまのごおう)は、神聖な熊野権現との深いつながりを持つ烏をモチーフにした絵文字化した護符です。この特別な護符は、古くからの伝説や神話を現代の形式に落とし込んだもので、戦国時代では絆を強く結ぶために用いられ太閤だある豊臣秀吉も諸国大名との誓約に使ったとされています。その他にも病気平癒、災難除けなどのご利益もあるそうです。
初穂料:800円
お守り
なぎのお守り
ナギの実で作られた「なぎまもり」や「なぎ人形」などがあり、なぎの葉が切れにくいことから家内安全や縁結びのご利益があるそうです。
※なぎ人形:2000円/なぎ守り:600円
その他のお守り
・直霊守り…身魂を御守護いただくお守り
・甦守
・サッカー守り
・八咫烏勝守
などかあります。
節分限定の吉兆
節分の季節に特別に登場する「吉兆」という飾り物。疫病を追い払い、家内安全をもたらすと言われています。この吉兆は、境内で大切に育てられた柳の小枝を使っています。この自然のパワーが込められた飾り物をお部屋に飾ると、まるで部屋全体が明るく輝いているように感じられる飾り物です。
熊野速玉大社の駐車場・アクセス
駐車場
境内に無料駐車場がありおおよそ20台~30台程度停めることが可能です。もしも境内の駐車場が満車だった場合には、すぐ隣に河川敷の駐車スペースがあり、こちらも利用可能なようです。
アクセス
関西方面からの場合
電車でのアクセス
新大阪駅からJRきのくに線を乗り、新宮駅で下車。そこから徒歩約25分。また、熊野交通バスを利用すると、「速玉大社前」バス停で降りるとすぐに到着します。
自動車でのアクセス
阪和自動車道の南紀田辺ICから国道を通って、または、海沿いルートで阪和自動車道・紀勢道のすさみ南ICから国道42号を利用して新宮市へ向かい熊野速玉大社に行くことができます。
名古屋方面からの場合
電車でのアクセス
名古屋駅からJR紀勢本線・特急ワイドビュー南紀号をご利用いただき、新宮駅で下車。熊野交通バスで「速玉大社前」バス停にて降車してすぐです。
自動車でのアクセス
東名阪自動車道から伊勢自動車道、紀勢自動車道、そして熊野尾鷲道路・国道42号を経由して新宮市へそこから熊野速玉大社に到着することができます。
熊野速玉大社の概要
所在地 | 〒647-0081 和歌山県新宮市新宮1番地 |
社格 | ・式内社(大) ・旧官幣大社 ・別表神社 |
関連サイト | 公式サイト |